ガンマ値とは
ブラウン管の輝度はほぼ電子ビームの電流に比例しますが、ドライブ電圧(E)と電流(I)はカットオフ点を原点としてほぼ I=kEγ の関係になります。指数γはブラウン管により2〜2.5程度になり、この値をガンマ値と呼びます。
これはブラウン管の特性ですから、本来はドライブ回路に逆特性の変換回路を付加して、入力電圧に比例した輝度が表示されるようにするべきですが、そうするとすべてのテレビ受信機にこの回路を付加することになり、トータルのコストは莫大なものになります(当時のテレビ受信機は真空管を使用していたので、このような回路のコストも無視できない額でした)。
そこでテレビ受信機ではなく、カメラにこの回路を内蔵して、撮影時にあらかじめ逆特性の補正を行うことにしました。カメラはテレビ受信機に比べて台数がはるかに少ないうえ、プロ用の機器でしたからコストはさほど問題になりません。この補正を行う際に、ブラウン管のガンマ値が2.2であると想定して行うことになりました。NTSC/DVDではガンマ値2.2であるというのは以上のようなわけです。
現在ではこれらのコストは問題になりませんが、規格を変えるわけにはいかないため、液晶ディスプレイやプラズマディスプレイでもガンマ値2.2になるような逆補正が行われています。またテレビに限らず、デジタルカメラの映像やCGのデータにも同様の補正が行われています。
最近では映像データに作成時のガンマ値を記録することによりガンマ値2.2にこだわらなくとも、意図通りの映像を再生できるようになりつつあります。
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