ガンマ調整
ディスプレイのガンマ値をチェック、調整するために使用するパターンです。NTSC/DVDではガンマ値2.2が標準とされていますので、2.2に調整することにより、製作者の意図した映像に近づきます。

ガンマ調整 ガンマ値をチェックする方法は簡単で、ガンマ補正後の50%グレイ(50%に限りませんが普通は50%が使用されます)が正しく50%の輝度になっているかを調べます。比較の基準となる50%の輝度は0%黒と100%白を光学的に平均することにより得ます。具体的には0%黒と100%白のストライプ模様やチェック模様を擦りガラスなどでぼかすことによって得られます。

収録映像はガンマ値1.0から3.4までの25個のタイルが表示されています。これらのタイルはそれぞれのガンマ値の補正を行った50%グレイで塗られています。背景は幅が1〜6ピクセルの白黒のストライプまたは一辺2〜8ピクセルのチェック模様になっています。背景とタイルの明るさが等しいタイルが現在のガンマ値を示します。この背景が完全に白と黒からだけなっていれば問題ないのですが、リスケーリング等により中間調が含まれていると光学的な平均は50%を下回ります。このような場合は実際のガンマ値よりも低めに判定されることになりますので、注意してください。

ガンマ調整 信号波形

ガンマ値とは

ブラウン管の輝度はほぼ電子ビームの電流に比例しますが、ドライブ電圧(E)と電流(I)はカットオフ点を原点としてほぼ I=kEγ の関係になります。指数γはブラウン管により2〜2.5程度になり、この値をガンマ値と呼びます。
これはブラウン管の特性ですから、本来はドライブ回路に逆特性の変換回路を付加して、入力電圧に比例した輝度が表示されるようにするべきですが、そうするとすべてのテレビ受信機にこの回路を付加することになり、トータルのコストは莫大なものになります(当時のテレビ受信機は真空管を使用していたので、このような回路のコストも無視できない額でした)。
そこでテレビ受信機ではなく、カメラにこの回路を内蔵して、撮影時にあらかじめ逆特性の補正を行うことにしました。カメラはテレビ受信機に比べて台数がはるかに少ないうえ、プロ用の機器でしたからコストはさほど問題になりません。この補正を行う際に、ブラウン管のガンマ値が2.2であると想定して行うことになりました。NTSC/DVDではガンマ値2.2であるというのは以上のようなわけです。
現在ではこれらのコストは問題になりませんが、規格を変えるわけにはいかないため、液晶ディスプレイやプラズマディスプレイでもガンマ値2.2になるような逆補正が行われています。またテレビに限らず、デジタルカメラの映像やCGのデータにも同様の補正が行われています。
最近では映像データに作成時のガンマ値を記録することによりガンマ値2.2にこだわらなくとも、意図通りの映像を再生できるようになりつつあります。

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