スイープ(周波数掃引)
徐々に周波数が変化する信号で、輝度・クロマ信号の周波数帯域の測定や、フィルタ特性、エイリアシングノイズのチェックに使用されます。また画面上ではいわゆる水平解像度のチェックにも使用できます。
当ディスクには水平スイープ、垂直スイープ各10種、計20種の信号を収録しています。

水平スイープ

水平スイープ

水平走査期間(画面では横の1ライン)の間に最小周波数から最大周波数まで遷移する信号です。

輝度(Y)、色差(U,V,I,Q)の振幅周波数と色差の角周波数及びそれらの組み合わせ、計10種を収録しています。

輝度信号についてはレベル50IRE、振幅100IREp-p、最小周波数は0.5MHz、最大周波数は5.5MHzで1、2、3、3.58、4、5MHzにマーカー(隙間)が入っています。
色差信号については輝度レベル50IRE、NTSCサブキャリア振幅100IREp-p、周波数は輝度信号の1/2です。

画面上で確認することを考慮して90%の安全域内に信号を収め、マーカーの目盛りを表示してあります。外周にはウェーブモニタで観測した際に-1db,-3db,-20dbの目安線となるような領域が配置してあります。

水平スイープ 信号波形

垂直スイープ

垂直スイープ

垂直走査期間(1画面-インターレースの場合1フィールド、プログレッシブの場合1フレーム)の間に最小周波数から最大周波数まで遷移する信号です。走査期間が長いため水平スイープよりも周波数範囲を広く取れます。最小周波数は0.25MHz、最大周波数は6.725MHz(ナイキスト周波数)で 0.5、1、2、3、3.58、4、5、6MHzにマーカーが入っています。色差信号についてはその1/2の周波数になります。それ以外は水平スイープに準じます。

原理的にナイキスト周波数までは正しく再生できるはずですが、実際には理想的なフィルタは実現できないため、ナイキスト周波数に近づくにつれエイリアスが発生します。これを避けるために少し低めの周波数から減衰するようにしますが、このあたりはプレーヤーにより様々です。掲載している波形は通常よりかなり幅の広い補間を行っています。そのため6MHz以上までエイリアスは発生していませんが、通常のDVDプレーヤはもっと幅の狭いフィルタを使用していますので、より低い周波数からエイリアスが発生します。

また色差信号については縦方向に補間処理が行われますが、この際上下のラインの周波数がわずかにことなり、画面の端へ行くほど位相差が大きくなるため、補間により振幅か減衰することになります。

いずれにしろナイキスト周波数までフラットに再生できるプレーヤーは存在しませんので、出力を基準信号源として使用する場合はそのプレーヤーの特性をあらかじめ把握してからご使用ください。

垂直スイープ 信号波形
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