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ご存知、日本でのDVDの普及に大きく貢献したPS2です。手持ちのものは最初期型のSCPH-10000で、ソフトはVersion2.01を使用しました。画質に関係する設定としてDNR:切、輪郭強調:0 で測定しています。 | ||
コンポジット出力 | ||
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改良SMPTEカラーバーで輝度/クロマのレベル、クロマ位相等をチェックします。 輝度レベルは若干低いようですが、かなり正確です。クロマレベルは輝度に比較して少々高めですが、カラーバーストもレベルが高いので画面上では逆に薄めになると思われます。輝度のオフセットはほぼ合っていますが、ごくわずかアンダー(黒つぶれ)のようにも見えます。 ゲーム機なので、予想通りですがNTSCエンコードの前にRGBカラースペースに変換されています。このためPLUGEの0%以下と100%以上はつぶれています。また同じ理由でーIとQ信号もつぶれています。RGBへの変換はディスプレイで表示の際にいやでも行われるので、視聴上の問題はありませんが、100%以上の白は意図的に使用されているので、これが再現できないのは多少問題ではあります。 クロマ位相については、全体に右回り(赤がマゼンタより、シアンが緑より、黄色がオレンジより)ですが、ぎりぎり田の字の中に納まっていますので、合格と言えるでしょう。 その他気になる点としてクロマサブキャリアのエンベロープが波打っています。画面上では気づかないレベルですが、波形を見ると気になります。 これ以降の測定は輝度レベルを校正して行います。 |
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ステアステップで等諧調性をチェックします。0-100%以外はつぶれるのは改良SMPTEカラーバーでもわかりますが、0-100%まではどうでしょうか。 5ステップの波形を見ると立ち上がり部分にわずかにリンキングが見られます。また白の部分に較べて、中間調の部分の輝線が太いように感じます。想像ですが16-235から0-255へ変換する際にディザつきで行っていることによるノイズと思われます。 次にフルスケールのランプ波形ですが、単調性が確保されていません。これが、上記のディザつき変換によるものか、DACの性能によるものかはわかりません。 |
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スイープ信号で輝度信号の帯域をチェックします。左が水平スイープ、右が垂直スイープです。 かなり変わった様相です。一見直線補間の結果のように見えますが、それだけではないようです。VITSのスイープを見ると理由がわかります。強力なハイ上がりの特性で、100%スイープはクリップしているのがわかります。さらに上下が対称になっていません。 映像の先鋭度を上げるために2MHzあたりを中心に持ち上げることがありますがこのように高い周波数を持ち上げる意図は不明です。 |
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インパルス応答です。ピークが低く、アンダーシュートは大きめに出ています。左右の対称性もいまいちです。ハイ上がりの特性とも関係ありそうですが理由は不明です。補間フィルタは5タップ(補間前で)もしくは3タップのようです。 | |||
その他の信号も測定してみましたが、いずれもRGB変換とハイ上がりの影響が現れています。 特に変調ランプ波形や変調ウェッジ波形を見ると輝度レベルが上がるにつれ振幅も増大しているようです。この原因はすぐには想像できません。 |
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オーディオ アナログ出力 | ||
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オーディオについてはごく基本的な信号のみ収録していますのでS/N(ノイズ)、歪率、周波数特性等の基本的な特性をチェックします。 計測結果を拡大するにはサムネイルをクリックしてください。文中のリンクはリファレンス波形へのリンクです。 |
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残留ノイズ、S/Nをチェックします。 左上がシステムメニュー表示時で水平周波数(約15.7KHz)が-95db程度混入しているほか低域にわたって映像信号が混入しています。 右上は無音(1KHz 、-120db 、16bit)再生時で水平周波数の混入が-83db程度と大きくなります。これは映像信号の違いによると思われます。 下は1KHz 、-120db 、24bitですが、信号はまったく識別できません。 映像信号の混入は出力ケーブルのコネクタ(ピッチが狭い)が原因と思われます。 |
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歪率をチェックします。左側が16bit、右側が24bit、上段が-10db、下段が-90db、周波数はいずれも1KHzです。 まず信号レベルが-16db程度と、6dbほど低くなっています。 -10db 、24bitの結果を見ると、、2次、3次、4次ひずみが-105db〜-115db(信号比-94db〜-104db)程度出ています。-10db 、16bitの量子化ノイズ(奇数次)の大半は映像信号とノイズに埋もれています。 |
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周波数特性をチェックします。左がリニアスープをピークホールドしたもの、右がホワイトノイズを平均(300パス)したものです。いずれも18KHzより上でわずかにレベルが下がります。リニアスイープの60Hz以下が急落しているのは再生の最初0.1秒ほどミュートされるためで、ゲインが落ちているわけではありません。 →測定する際の注意 |
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オーディオ S/PDIF出力 | ||
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1kHz、-10dbの左が16bit、右が24bitです。24bitが正しく出力されています・ | |||
結論を言うとPS2(初期型)は基準信号源として使用するには適していません。だだし、これは一般のDVDムービーを視聴するのに不適当というわけではありません。普通のプレーヤにも画質モードの切り替え機能がついていますが(ダイナミックモードとかシアターモードなど)このような機能をONにすると出力波形は大きな改変を受けることになりますが、それが画質が悪いといえないのと同様です。
文中の Playstation は(株)ソニー・コンピュータエンタテイメントの登録商標です。 |
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