Radeon 9800XT TV-OUT
Sapphire製Radeon 9800XT のTV-OUTを測定しました。OSはWindows XP SP2、ドライバCatalyst 6.1です。クローンモード-シアターモードで測定しています。シグナルフォーマットはNTSC-Jが選べないためM/NTSCを選択しています。そのせいでセットアップ付で出力されています。設定はすべてデフォルトで行っています。再生はメディアプレーヤV9.0を使用しています。
コンポジット出力

改良SMPTEカラーバーをみると輝度レベルは3%程度大きくなっています,クロマレベルは輝度に対してごくわずか低めです。
7.5%セットアップがついています。-I,Q信号がクリップしているのと-4%が出力されていないことから、RGB変換されていることが予想されます。ステップの立ち上がりが大きくなまっています。なんとなくアナログ的な波形です。
クロマ位相はわずかに右回りですが許容範囲内です。−I,Qはつぶれています。

i以下の測定は波形モニタのレベルを調整して行っています。


ステアステップの5ステップの波形をよく見ると50%くらいまでは、エッジのなまりはみられず、それ以上になると急になまり始めるのが判ります。次にフルスケールのランプ波形ですが、0%以下がサプレスされています。またわずかに段があるのがわかります。
変調ステアステップと変調ランプについてはRGB変換の影響でサブキャリアのエンベロープが歪んでいます。

スイープ信号で輝度信号の帯域をチェックします。左上が水平スイープ、右上が垂直スイープ、下が低周波スイープです。
比較的広帯域でわずかに減衰しながら5MHz付近まで出ています。それから先は急に減衰し、エイリアスは5.5MHzあたりから出始めます。ただし1MHz付近から上側の振幅がすでに-1dbほど小さくなっています。垂直スイープを見ると、250kHzから750kHzにかけて振幅が減少しています。その結果上下で振幅が非対称になっています。低周波スイープは問題ありません。
この特性によりステップ部分のなまりが発生しているのがわかります。ただ、どういう理由でこういう特性を示すのかはわかりません。

同じくクロマサブキャリアの帯域を調べます。左がI軸方向、右がQ軸方向の水平スイープです。Iについては0.25MHz付近でも減衰しておりエンベロープに振動があります。そのせいか高域にもグリッジが残っています。Qは-3db帯域幅が0.7MHz、水平解像度の目安となる-20db帯域幅が1.5MHz程度ど一般的な特性です。

インパルス応答です。上下のピーク共レベルが低く、左右の対称性もあまり良くありません。補間フィルタは9タップでしょうか。

その他の信号を見ます。NTC7コンポジット12.5Tパルスを見るとクロマが50〜100nS遅れています。色差を0次ホールドすると1ピクセル分(74nS)遅れ(右ずれ)ますが、それが理由かもしれません。変調ランプ波形を見ると、レベルが上がるにつれて振幅が減少しているのが判ります。変調ウェッジ波形も上下非対称になっています。
コンポーネント出力

RADEONは専用アダプタを使用すれば、HDのコンポーネント出力が可能なようですが、現在のところ所有していませんので測定できません

総評としては、セットアップがついていること、RGB変換されていること、周波数特性に癖があることなどにより、信号源としては向いていません。

(C) K.M.Lab 2005,2006 All Rights Reserved

Home