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ゴーストリデューサー、TBC、3DY/C分離等の機能を持ったハードウェアエンコードTVキャプチャカードです。チューナーは日立、ビデオデコーダはNEC、エンコーダは富士通製です キャプチャはVBR、10Mbps、平均圧縮率85%で行いましたが、P4Wの特性として出来上がりのファイルは小さくなり、平均2Mbps以下になります。 |
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コンポジット入力 | ||
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ステアステップで輝度信号のリニアリティーをチェックします。 5Stepの波形を見ると左の上のステップがやや傾いています。立ち上がり部分にリンキングとともにMpegアーティファクトが見られます。 フルスケールのランプ波形は下が-2%付近でクリップしています。上はすべて出力されていますがAGCが効いてほぼ100%に圧縮されています。 変調ステアステップ、変調ランプについても同じ傾向です。 |
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クロマステアステップでクロマ信号のリニアリティーをチェックします。左が 5Step/60度、右が連続のいずれもNTSCサブキャリア等幅のベクトル波形です。Eb,Er(UVと同じ方向ですがスケールが異なります)とも70%強でクリップしています。これでは75%カラーバーでもクリップしてしまうはずですが、SMPTEカラーバーは一応再現できています。この原因はAGCと関連があるようですがその理由ははっきりしません。 |
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スイープ信号で輝度信号の帯域をチェックします。 左が水平スイープ、右が垂直スイープ波形です。P4Wには画質調整としてハード・ソフトとピーキング(0-7)という設定項目がありますがそのうちいくつかの組み合わせで観測しました。 上から ハード/ピーキング4(標準) ハード/ピーキング0 ハード/ピーキング7 ノーマル/ピーキング4 ソフト/ピーキング4となっています。 これを見るとピーキングというのはその名のとおり3.5〜4MHz付近を持ち上げるレベルを変化させるようです。0では持ち上げなしで緩やかな減衰を示します。4や7ではクリップしていますが、VITSスイープを見ると4で約2db、7で約6db程度持ち上げているようです。 ハード・ソフトのほうはノーマル(目盛り中間)ではハードとの差がほとんどわかりませんがソフトにすると垂直スイープにエイリアスが発生します。これは上下方向にぼかしフィルタ(平均化)がかかっていることを示しています。この上下方向のフィルタはハードやノーマルの時も画像の動きに応じてかかるようになっています。想像ですがハードとノーマルでは、動き判定の閾値が異なるのかもしれません。 |
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同じくクロマサブキャリアの帯域を調べます。左がI軸方向、右がQ軸方向の水平スイープです。いずれも帯域は狭くNTSC簡易再生規格である0.5MHz程度です。 | |||
AGCの効き具合をチェックします。左上はAGCチェック信号の十字の部分を背景が0%黒の時と108%白の時をかさねて表示したものです。背景が黒の時は50%→60%にゲインが大きくなっています。背景が108%のときは50%→43%程度に収縮し108%が95%程度になっています。右上は同じ部分を180フレーム(6秒)分観察したものです。背景が108%になる際にゲインが急減し、0.5秒ぐらいで定常状態になります。背景が0%になる時は緩やかにゲインが上昇し、3秒たっても、定常状態にはなりません。 背景にスポット上の輝点が現れる信号ではゲインの減少がややゆっくりになり、オーバーシュートは発生しません。この場合輝度はほぼ100%で抑えられます。 3段目はクロマのAGCです。AGC自体はかかりませんがCrが70%、Cbが60%程度でクリップしています。またCbのクリップ部分が振動しています。また輝度にはAGCが効いてゲインが大きくなっていますが、クロマ信号が輝度のゲインに影響を与えているのがわかります。 4段目はクロマステアステップの0度100%の部分を連続で観測したものですが、AGCによって輝度が上昇するにしたがって、Cbのクリップ点が下がってきます。一見コンポジット信号の上がクリップしているように見えますが、その場合クロマが無い部分に較べて輝度がへこむはずですが、それは観測できません。 4段目右はバウンスの1Hzの正弦波ですが、AGCにより大きなひずみが発生しています。 |
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NTC7コンポジットの12.5Tパルスをみると輝度、クロマの遅延差はわずかですが、クロマのピークが少しつぶれているのが判ります。 コーリングチェック信号をみると周波数が高くなるにつれてバタフライの中央の平坦部分が広くなるのが判ります。 Y=U=Vの階段波形を見るとU(Cr)が80%以下でクリップしています。輝度も下の部分でクリップしていますが、これはコンポジット信号の時点で下側がクリップしているためと思われます。 |
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S-Video 入力 | ||
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コンポジット入力同様、標準状態では輝度、彩度ともに高めです。輝度-4%、コントラスト0.96、色あい0%、鮮やかさ90%でほぼニュートラルになります。以下の測定にはすべて同じ設定で行っています。 S-Videoでもコンポジット入力とほとんど差がありません。Y/C分離が必要ないため、画質的に有利なはずですが、静止画の場合3DYC分離でほぼ完全に分離できるためその差はわかりません。 |
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輝度、クロマの帯域ともコンポジット入力時と同様です。 | |||
最も異なるのはAGCの効きと、それに伴うクロマのクリップです。S-Video入力ではUVとも+-0.5まで問題なく記録されています。 | |||
AGCの効きはリーズナブルなものになっています。輝度は100%で抑えられますが、オーバーシュートは1フレームで収まります。レベルが低い時の伸張もわずかに収まっています。 UVについてもクリップしないため、輝度と同様のAGCが効いているのが判ります。 |
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NTC7コンポジットの12.5Tパルスをみると輝度、クロマの遅延差はほとんどありませんが、クロマのレベルが少し不足しています。 コーリングチェック信号は輝度レベルが正しくなっているほかはコンポジットと同様です。 Y=U=Vの階段波形のクリップは.見られませんが、上側で輝度に較べてU,Vのレベルが少し低くなっています。(これは再生側の問題かもしれません) |
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オーディオ | ||
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オーディオについては録画したMpegファイルから音声を分離し、WAVファイルに変換後、WaveSpectraのファイルモードで観測しています。 P4Wでは録音形式はMpeg-2のみで、選択できるビットレートは192、224、384kbpsの3種類です。 |
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残留ノイズ、S/Nをチェックします。 左上が192kbps、右上が224bps、左下が384kbpsで以下同じです。 全体に1/fノイズが優勢です。ビットレートが上がるにつれ高域の帯域が延びますので、映像水平周波数(15.7KHz)の混入が大きくなります。 |
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歪率をチェックします。フィルタ特性の違いにより高域の特性が多少異なりますが、大差ありません。最も大きいのは5次ひずみで-80db強(信号比-70db強)出ていますが、問題ないレベルです。 | ||||
ホワイトノイズで周波数特性をチェックします。192kbpsでは16KHz、224kbpsでは17KHzで急峻なフィルタがかかっています。384kbpsでは大きく減衰しながらも20KHzまで記録されています。地上波やアナログBSのAモードでは192kbpsで十分と思われます。 | |||
全体にHi-Fi(高忠実度)よりも、見た目の良さを重視した絵造りがされています。特にコーリングと動き適応フィルタ(および測定では判りませんが時間軸方向のフィルタ)によりノイズが抑えられているため、多少ディティールが失われる代わりに、Mpegの圧縮が良く効き、出来上がりのファイルサイズが小さくなります。このためDVD-Rに3時間程度収録してもそれなりに見れる画質になります。測定範囲内での問題点はコンポジット入力でのAGCが効きすぎることでしょうか。チューナーからの録画の場合、コンポジットに準じた特性が予想されますので気になる点です。 | ||
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